年明け相場に見る日本の未来

2008.01.09


昨年末からの世界的な株価調整の煽りを受けて日本市場はズタズタである。米国での低所得者向けの住宅ローンである「サブプライムローン」の焦げ付きやら、保証会社「モノライン」の格下げとか色々言われているが、日本市場の調整を説明するには説明不足の感が否めない。

旧大阪証券取引所

日本株式のPER(株価収益率)は1980年代から1990年後半にかけて40倍台であり、欧米諸国の20倍よりもずいぶん高い水準で安定していた。ところが2000年以降、徐々に低下し、現状では20倍を割り込み15倍と欧米よりも低い水準となっている。
 これをもって「日本株式は世界的に見て割安となっており、今こそ買うべきである」と囃し立てる流れがある。その考えに反論しないが、個人的にはPERが20倍を割込むのには「そうではない理由」があると思っている。

PERは株価の割安度を示すと同時に、企業業績の先行きへの強弱感を表す指標であり、今の日本株式の低迷の裏には将来への不安があると考えることが出来る。欧米各国よりPERが低いことは評価が低い(=割安)とも言えるが、将来の企業収益(例示:EPS)の成長が期待できないと市場が判断しているともいえる。
 「将来の成長が期待できない」とは平たく言えば、この先、業績の伸び悩みや景気減速が待ち受けていることを示している。マクロ経済には疎ので学者様の意見を否定する論拠を持たないが、市場に生き、市場で禄を食んできた人間として、市場からの警鐘が聞こえるような気がしてならない。


今の相場「相場のことは相場に聞け」なのか、米国不振の余波なのか。