めぐり合わせ

2008.04.07


大阪駅プロジェクト@JR西日本

巡りめぐって出会うことを「邂逅」と呼び、この言葉の裏には偶然や思いがけずにという意味が秘められている。同じように予期していない出会いを「奇遇」と呼ぶが、これは単なる偶然の出会いであり、言葉の裏に巡りめぐってという概念は含まれていない。

今を遡ること20年前の国鉄民営化後、国鉄清算事業団による大都市での大規模な用地売却が行なわれ、汐留や飯田町といった貨物駅跡が再開発された。大阪でも大阪駅北側の大阪鉄道管理局跡地の再開発が行なわれ、小型店舗しかなく関西への本格進出を目指す「三越」が入札し話題をさらったが、実際に落札したのはヨドバシカメラであった。
三越の痛恨のミスであったが後の祭りであり、それ以降も関西本格進出は叶っていない。

数年前、JR西日本はJR大阪駅の北ビルを取り壊し、南北方向にすべてのホームをまたぎ南側の駅ビルまで大屋根をかける大プロジェクトを発表し、着々と工事が行なわれてきた。この核テナントに名乗りを上げたのは件の「三越」であったが、JR西日本の駅ビルで成功を収めていたのは京都駅の「伊勢丹」であり、2011年とも言われる完成まで予断を許さない状況であった。

そうして今月、三越と伊勢丹は事業統合を発表し、三越伊勢丹ホールディングスを設立、そしてJR西日本は大阪駅再開発の核テナントを「JR大阪三越伊勢丹」とすると正式に発表した。


大阪駅をめぐる邂逅が、単なる奇遇に終わらないように願って止まない。